プロTOP:川口誠プロのご紹介
思い出の品の寿命を伸ばす、修理専門の時計職人(1/3)

亡き恩師の知識と経験を受け継ぎ、“真の技術力”を身に付ける
松山市湊町4丁目、中の川通り近くにある「時計工房 勇進堂」は修理専門の時計店。持ち込まれた時計を、一つ一つ手作業で修理しているのは4代目の川口誠さんです。川口さん自身が手掛けるのは腕時計で、そのほかの時計は川口さんの父親が担当しています。「オーバーホールを含む本格的な修理は1日4本程度。お客さんが店に直接持ってくる時計以外に、ほかの時計店から修理を依頼されるケースも多いですね」
川口さんは滋賀県の専門学校で時計の基礎や修理技術を3年間学びました。「授業で学んだのは時計の基礎で、修理技術の大半は現場で覚えました。特に当店の職人で、2年前に55歳で亡くなった山下宇佐夫さんからはいろんなことを教えられましたね。昔ながらの職人でしたから『見て覚えろ』の世界ですけど」
手先の器用な人であれば、基本的な修理技術の習得は難しくないそうです。しかし、実際に壊れた時計を前にしたときに役立つ“真の技術力”は、知識と経験の量で決まると言います。「直し方を知らなければ、どんなに手先の器用な職人さんでも修理はできません。山下さんは職人歴40年の大ベテランでしたから、情報量は圧倒的でしたね。僕はまだ6年目ですが、山下さんのそばで働けたことが大きな財産になっています」
川口さんは今でも山下さんを目標にしています。「時計職人は修理した際、時計の中に修理内容や交換部品、ネームを刻みます。そうすることで次に修理するときに、故障原因が見つけやすくなるんですよ。時計に山下さんの名前を見つけると、懐かしくなると同時に、山下さんを超えて見せるぞ、という気持ちになりますね。山下さんが手掛けた時計の中には、今でも山下さんがいるんですよ」
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