現場第一主義を貫く中小企業再生のプロ
コラム
公開日: 2011-04-17
ラブホテル / ホテル・旅館 / 資金繰り / 経営相談 / 経営コンサルタント
昨年の暮れあたりから・・・
ホテルや旅館の経営相談が何件かあった。
ラブホテルやファッションホテルの経営相談も何件かあった。
ホテルや旅館も相談内容はいろいろである。
道後温泉のような温泉街の観光客が中心の旅館経営であったり、
八幡浜や今治などのビジネス系中心のホテル経営であったり、
宿泊する顧客の目的によって、経営者の悩みは多種多様になり、答えも変わってくる。
代々続く老舗旅館であったり、オーナーと経営が分離されていたり、
法的手続きによってスポンサーがいたり、M&Aを希望する相談であったり、
本当に100社100通りの相談内容である。
ブログからの相談で、北海道や群馬県から相談があったり、
本当に最近の旅館やホテルの経営は厳しくなってきていると感じる。
ラブホテルで・・・
部屋数が20室以内になると、M&Aはもとより、小額での売却も難しくなる。
30年以上になると、M&Aもリニューアルも難しくなる。
後継者の存在も・・・
再建や再生に大きく関係をしてくる。
銀行との関係も・・・
設備資金や運転資金で大きな差が出てくる。
ラブホテルなどでは、銀行の世間体上、変な迂回融資をしているケースもあり、
モラトリアム法の申請をしようとしても交渉が難航するようなケースもある。
不思議な話だが・・・
地元の第一地銀や第二地銀は風営法の許可業種への融資をしないと決めているケースがよくある。
他には、パチンコ店などには融資をしなという内規である。
もっと不思議なのは、県外支店ではラブホテルなどにも積極的に融資を実施している。
銀行の本音と建前はわからない。
ラブホテルで、県外銀行がメインバンクで、元金返済不能になりリスケを申請すると、
銀行が突然に手のひらを返して経営者を驚かせることがある。
県外支店の融資は攻撃的で積極的だが、撤退や回収の決断のスピードも驚くほど早い。
しかし、金融機関は最後の最後まで牙を見せない。
現場の経験が多くなると、おおよそどうなっていくストーリーなのかは見えてくる。
社長は最後の最後まで信じている、私の初回アドバイスよりは・・・
その上に・・・
後継者がラブホテル経営に興味や意欲がなければ・・・
資金繰りや将来の経営相談を受けても、お互いに再建に対する本気度が上がらず困る時がある。
築30年でリニューアルの設備資金がなくても、経営を安定化させる手法はいくらでもある。
お金が無くても販売促進や売り上げ増加の処方箋はある。
今、置かれている条件のもとで、解決策を見つけていくのが経営コンサルタントである。
ラブホテルやビジネスホテルの経営状況は厳しくなっている。
ほぼ決まった特定客の争奪戦である。
知識も知恵も経験も必要になってくる。
過去の数字の通知表の決算書を眺めて、電卓叩いて比率や指数を計算しても、
それは健康診断の血液検査の結果のようなものである。
出てくるアドバイスは、アホのひとつ覚えの「固定費の削減」である。
確かに大切なことではあるが、答えでもないし解決策でもない。
固定費を削減しても借入金の総額は変わらない。
銀行への毎月の返済金額も変わらない。
そのことを銀行員は念頭に置かないから、経費の削減や固定費の削減を解決策としてアドバイスする。
再生実務家の中の話の鉄則である。
銀行のアドバイス通りに経営を実践して、発展や再建を果たした中小企業は少ない。
潰れたくないなら、銀行のアドバイスの逆を選択せよ! そんな話も実在する。
固定費、借入金の総額、毎月の返済が、そう大きく変化しないのであれば、
結果的には、資金繰りはあまり良くならない。
固定費を削減して利益率が上がっても、そうそう簡単に資金繰りは改善されない。
これが再生現場である、困窮企業の実態である。
今ある条件のもとで答えを見つけ出す。
本やマニュアルやセミナーには、平均的な模範解答事例しかない。
再生の答えは現場にしかない。
現地に行って、社長に会って、会社を見て、立地を見て、従業員を見て、土地の匂いを嗅ぎ、
それから経営状況をヒアリングして、銀行との現状の関係を聞き、銀行の方向性を察し、
決算書を眺めて資金繰りの状況を聞いていく。。。
古い老朽化したラブホテルにも・・・
再生や再建の解決策はある。
私はそう思っている。
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