コラム

 公開日: 2010-09-13 

再生への道標 / 経営コンサルタント


経営者は孤独である。
しかし、右か左かの道を選択しなければならない場面にも直面する。

経営コンサルタントとして・・・
右か左かのアドバイスや答えを求められる場面がある。

重大な局面である。

ある大手の高名な経営コンサルタントの社員への指導方針で、
クライアントさんからの相談は即座に返答をするようにという教育方針があるらしい。
同じような答えを経営コンサルタントの仲間が言っていたことがある。
知らないとか調べますという返事をしたら、経営コンサルタントと失格だと言っていた人がいた。
コンサルタントしての値打ちが下がってしまうらしい。

果たしてそうなんだろうか?
間違った回答をして、会社の行く道が違って、会社が傾いても・・・
即座に回答をするのがいいのであろうか?

私はそうは思わない。
経営コンサルタントなんか神様でもなければ天才でもない。

誰のために何をやるのか?
そう考えれば答えは見えてくると思うのだが・・・

逆に、なんでもYesを繰り返すのもよくないと思う。
嫌われないために、担当者として社長と役員にYesを繰り返す担当者もよくない。
営業第一主義、顧客獲得第一主義、売り上げ第一主義、こんな経営コンサルタント事務所に多い傾向である。

たとえば・・・
人口が2千人の村の会社が、営業戦略により県庁所在地に営業所を開設した。
何年かすると、営業所での売り上げや機能が9割近くに達してきた。

メインバンクの支店を営業所のある方の支店に変更しようかと考えた。
ある時に、経営相談をしていた大手の経営コンサルタントの担当者に相談をした。

担当者の答えは、YESであったらしい。
それが良いんじゃないですか?

果たして正解なのか?
セカンドオピニオンを受ける途中で、私も同様に意見を求められた。
私の答えは、「NO」、それも完全なNOである。

なぜなら・・・
人口2千人の村での15億円企業である。
村の支店での顧客の中では、間違いなくトップ5に入る顧客である。

それが、人口3万人以上をカバーしている県庁所在地の支店に行ったら・・・
15億円以上の売り上げ規模の企業など50社以上も存在するであろう。
同じ銀行だとしても、新参者の取引先である。

銀行の応援が必要な状況では・・・
支店の変更などするべきではない。

1時間かけて、村の支店に時々行かなければならないことを除いて・・・
たくさんの人口をカバーしている支店に変わるメリットは何もない。

「同じ銀行なら、対応は何も変わりませんよ。」
そんなアドバイスを言っている経営コンサルタントの答えに耳を疑った記憶がある。

逆に考えたなら・・・
銀行内にも支店ごとの人口に対する健全率のような基準がある。
だから、2千人の村で15億円の企業倒産は支店の営業にもかかわってくる。
倒産ともなれば、他の融資に大きな影響がでる場合もある。
だから、小さな村で15億円の企業には大きな関心を、支店長は持っている。

つまり、困っている時の応援度も全く違ってくるのである。

支店は変更しない方がいい・・・
「NO」というアドバイスになるのである。

社長は・・・
「よく理解ができました。1時間かけて今の支店に通います。」
NOとはっきりと言われて、理由も説明されて、納得した様子であった。

経営コンサルタントとして・・・
わからないことや知らないことは、時間をかけてでも調べればいいと思う。
本に書いていることおかしいな? そう思ったら人脈の中から答えを探せばいいのである。
だから、経営コンサルタントとして知識も必要だが、人脈も大きな大きな知恵や知識となるのである。
即時に返答をして、いい加減な間違った道標を示すよりは・・・

誰かの本に・・・
「銀行融資は、たくさんの銀行から受けておきなさい。」
そんなアドバイスがのっていたように思う。

都会では、確かにそうかもしれないが・・・
地方の地銀がメインバンクなら全く違った答えになる。

再生やリスケの話になると・・・
メインバンクの融資割合が50%以上であること。
取引銀行は政府系も含めて5行以内であること。
メインバンクとの取引関係ができるだけ長いこと。

こんな条件が・・・
再生相談時にとても大切なポイントとなる。

大した話ではない・・・
経営コンサルタントとして、知っている人は知っている、そんなことは・・・
現場で実際の再生業務をやる人間なら・・・
そんな程度の話である。

経営コンサルタントの答えは正解でないケースもある。
100点の答えでないケースもある。

日本中にいい先生はたくさんいる。
本当に社長が経営相談を経営コンサルタントにするのならば・・・
同じ内容の質問で2~3社の経営コンサルタントの事務所に行って相談をしてみればいい。

聞き耳のいい話を言ってくれる先生がいい先生ではない。
私に出会ったから「もう大丈夫ですよ・・・」そんな話も???

経営コンサルタントには残念な人間も存在する。
セカンドオピニオンの中でいろいろと見てきた。

相談するなら・・・
いい先生に出会ってほしいと思う。

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