コラム

 公開日: 2010-08-29 

大不況 / 経営コンサルタント


経営コンサルタントが大不況の時代である。
特に再生というジャンルの経営コンサルタントが大不況である。

去年の暮れの中小企業等円滑化法の影響が大きい。
緊急保証などの融資緩和の影響もあるであろう。

東京債権回収(株)の倒産に見るように、
再生ステージの仕事は大幅に減少している。

今はモラトリアムである。
多くの時間と費用をかけたリスケの交渉が必要とされていない。
「返済を待ってください。」そうカミングアウトすれば・・・
銀行は聞かなければならないよう状況である。

これが正しいか? 健全な金融か?
そう言われれば、そこには大きな疑問を感じる。

銀行出身系で銀行交渉を得意とするコンサルタントが大不況である。
対前年度比70%ダウンの新規顧客数というような状況である。
中には10分の1なんて経営コンサルタント事務所もある。

銀行にリスケの交渉をする。
何十ページの再生計画書や経営改善計画書を数百万で書く。
倍々ゲームの右肩上がりで伸びてきた経営コンサルタント事務所も多く存在する。
あれー? 確か5年前は5人くらいだったのに、今は50人も社員がいる、そんな事務所もある。

だから、必死で仕事を探して、必死でクライアントを探している。

建設業界は10年前から大不況である。
斜陽産業という域を超えてしまったかもしれない。
去年に少し景気対策の補正予算があったが、今年はそんな予算はない。
おまけに18%の公共事業投資ダウンで、今年の建設業界はスタートをしている。

新規のクライアントがほしい商業系経営コンサルタント。
建設業再生に需要があると思い、積極的にCMをしている。
ビックリするのは、銀行出身で銀行提出の書類で報酬を得ていたような経営コンサルタント事務所が、
建設業の再生業務や経営改善や販売促進までコンサルタントをするというのである。

建設業の再生は難しいというか、業界事情や仕組みを理解していないと、
なかなか数字の結果を出せないのである。
だから、仕事がたくさん確保できていた時代には、銀行交渉の書類作成コンサルタントは敬遠していた。

【建設業の原価の低減を20%させます】
【工務店や建築会社の受注件数を30%増やします】
【リフォーム事業の進出をコンサルタントします】
こんなフレーズが、商業系経営コンサルタント事務所のCMに登場する。

業界を知らないんだな???
そう残念に思ったのは、原価が20%ダウンとまで言われたら、見た社長も客寄せパンダCMと思ってしまう。
誇大広告や詐欺広告にちかい印象になってしまうであろう。

だから、コンサルタント指導がうまくいかない。
マニュアルサラリーマンが建設会社に行って社長や社員の指導ができるはずがない。
結局、数字の改善結果はでない・・・

経営コンサルタントって言ったって・・・
何もできないし、何もやってくれなかった、そういう結論になってしまう。

そんな会社のセカンドオピニオンが入ってくる。
「どうせ・・・」「お前も・・・」「前と一緒で何もできないだろう」
そんな印象を幹部や社員が持っている。
その誤解を解いてからの経営コンサルタントは面倒である。
余計で余分な時間を誤解解消に費やさなければならない・・・

いろんな経営コンサルタントがいるのでよく考えて選んでほしいと思う。

事務所が大きくて事務所の名前が有名だから、すごいノウハウがあって良い仕事ができるのではない。
ほとんどが担当者の力量に左右されるので、良い話や夢のような再生ストーリーには注意をしてほしい。
顧客獲得の殺し文句のフレーズは、本当に心理をついてよく教育されている。

銀行の「ポチ」経営コンサルタントに注意をしてほしい。
銀行出身者が多くいて特定のBKの仕事が多いような事務所である。
地方の再生経営コンサルタント事務所に多い。
お金をいただくクライアントのための計画書や書類作成でなく、いつも仕事をいただく銀行に向けて、
自分の事務所が良い顔をするための行動が中心の経営コンサルタントである。

詐欺のような経営コンサルタント事務所もある。
できもしないような夢物語を語って、取れるだけお金を請求して、潰れそうになったら音信不通。
こんな事務所も実在はするが、いつか消えていくと思っている。

日本中にいい経営コンサルタント事務所もたくさんある。
実力もあって人として尊敬できるような先生もたくさんいる。
そういう出会いをしていただきたいと思う。

何に一番困っているのか?
銀行対応なのか? 資金繰りなのか? リスケの交渉なのか?
見極めて経営コンサルタントに依頼をするのがベストである。

選択を間違えば、外科医と眼科医以上の差が出てしまう。
どの業種も、どんな交渉も、なんでもできます・やります・やっています、
そんな総合病院は多くは存在をしていないのである。

私は町医者である。
見たてと目利きはできると思う。
助かる命か、助からない命か? 社長は知りたいことなのである。

再生に向けて足らない道具とスタッフは、紹介状を書いてお願いするなり、人脈で補いチームを組む。
何が相談者にベストなのか? ベストがなければベターなのか?
ここが一番大切なところである。

クライアント目線で仕事ができないなら・・・
経営コンサルタントの資格はないし、経営コンサルタントを仕事としてやってはいけない。

甘い考えかもしれないが・・・
譲れない、私のポリシーである。

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経営コンサルタント 網師本大地

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